心療内科の現実
私はある心療内科で5年間、リフレクソロジストとして勤務し、たくさんの患者さんの足うらに触れてきました。
「心療内科での治療によって患者さんの」症状が軽くなり、笑顔を取り戻す方がいる一方で、リラクセーションを担当している私が出来ることとはどんな事だろう・・
果たしてこの施術はどこまで、患者さんの役に立っているのだろう・・そんな悩みや迷いの消えないでもありました。担当した患者さんがうつ病で亡くなられ、そのご家族が悲しみに打ちひしがれる……、そんな現実も目の当りにしてきたからです。そのたびに「なぜ、こんな不幸なことが起こるのだろう?」、「患者さんを救うために、もっとできることはないだろうか?」と想い、悩んでいました。
そんな環境で働きながら、いろいろと考えているうちにひとつのヒントを得ました。それはうつ病に悩んでいる98%の患者さんが睡眠障害を訴えていること。実際に不眠で悩んでいる男性の患者さんは、足うらが冷たく、硬くなっています。そこを丁寧にほぐすと「きのうは睡眠薬なしで眠れたよ」と笑顔で話してくれることもありました。
「足うら→質の高い睡眠→笑顔」。「ここに求める何かがある!」。
私の進むべき道が開けた瞬間でした。
その後、心療内科内で患者さんに向けた睡眠講座を開講。有料にも関わらず多くの受講者が集まり、手応えを感じました。また2008年には「足うらから眠れる身体を作る」をテーマに、睡眠に対する代替療法の有意性を日本心身医学会にて学会発表。このような経験を重ねることで「人をこころの病気にかからせてはいけない」という想いがますます強まり、独立を決意。企業、行政、医療などの現場で、メンタルヘルス研修、快眠カウンセリング、快眠セラピストの養成などを行い、睡眠の重要性を説きながら現在に至ります。
メンタルヘルス対策強化の背景